生まれながらにして苦労をしなくていい立場にいる人でも、自分や組織の維持・発展に力を注ぐものです。劉備の息子・劉禅はその努力をほとんどすることなく、乱世とは思えないお気楽人生を過ごした人物です。しかし、後世に「阿斗=愚か者」と評されることになってしまいました。

現代の日本は、終身の正規雇用から非正規雇用へと雇用関係が劇的に変化をしています。アルバイトやパート・派遣社員などの割合が正規雇用を上回る日も近い勢いで増えているのはご存知でしょう。三国時代の雇用関係も、決して安泰とは言えない不安定なものでした。

今の事業やプロジェクトが軌道に乗っていると、新たなことにチャレンジする機会も増えてきます。そんなときに気をつけたいのが、「足元をしっかりと固めること」。本拠地を失いかけた曹操は、部下の助言もあって、他国への進軍をやめ、本拠地防衛に成功して足場を固めています。

新しく組織に入ってきた人間が高い評価を得ているとき、その実力が気になって仕方がない人も沢山います。そんなときは余計な衝突を避けるための適度な「ヨイショ」も必要ですし、円満に事が運ぶなら、有効な手段となります。