自分に自信があればあるほど、周りとの関係は良好に保て!

上司などから高い評価を受け、その期待に応える働きをしていくと、時の流れと共に出世をしたり、重要なポストを任される様になっていきます。このときに慎しみ深く、周りとの協調も大事にしていれば、誰からも信頼される人物となり得ますが、逆に同僚や上司との意見の食い違いによって相手を見下したりすると、周りから敬遠されて孤立してしまうことにもなりかねません。

・蜀の最高責任者、孔明と対立し、憶怯者と批判して周りとの距離が遠くなってしまった将軍・魏延

魏延は劉備によって重用され、魏と国境を接する漢中という地の太守を任される程の実力者でした。やがて劉備が世を去り、孔明による魏征伐の主力として魏延も参加することに。孔明の作戦がとても安全策だったこと、長く魏との境で敵や地理を見てきた経験から、孔明本隊とは別に一軍を率いて敵の不意を突く作戦を提案しますが、孔明によって「危険すぎる」として却下されてしまいます。これをきっかけに、魏延は孔明のことを「怯」(憶怯者)と公言して憚ら図、周りから腫れ物に触れる様に扱ったと言われています。

・周りの評価と自己評価の隔たりに気づけず、進むべき道を間違えた結末

魏延は単にプライドが高いだけではなく、部下の統率力に優れ、趙雲亡き後、経験・実力の両面で軍事の重鎮になっていました。自他共にそれを認めていたため、却って彼を制御できる人間がいなかったのも悲劇の一因でした。孔明没後、全軍を指揮するのは自分だし、周りもそう思っていると考えていたのに対し、周りは孔明の指示に従った徹退作戦を遂行します。これに激怒した魏延は先回りして退却の指揮を任されていた将を謀反したとして朝廷に訴えますが、朝廷の結論は孔明の指示に従わない魏延に非があると判断。行き場を失った魏延は逃亡しますが追いつかれて殺されてしまいます。

・自分に自信がある人程、孤立を避ける努力をして味方を作るべし!

組織の中で自分は優れていると思っていると、周囲と自分との距離感を見誤ってしまうことがあります。チームプレーに必要な組織力・団結力をなおざりにすることなく、周囲からも信頼される努力も怠らない様にしたいものです。