史実とフィクションが入り混じる「三国志」とは

・正史『三国志』…三国時代、蜀に生まれた陳寿が記した歴史書。「魏書」・「呉書」・「蜀書」と国別に分かれており、皇帝とその家族、同時代の君主、各国の重臣などの生涯が伝記風に書かれている。また、裴松之(はいしょうし)がこの正史に他の文献からエピソードを拾い集めて加筆をした「注釈」も含まれている。

・『三国志演義』…羅貫中(らかんちゅう)によって書かれたフィクションの歴史小説。基本的な流れは正史どおりだが、各所に人間らしさや逆に人間離れしたエピソードが盛り込まれている。

・『その他の三国志作品』…中国だけでなく、日本でも独創的なフィクションを盛り込んだ小説や漫画が出版されている。また、ゲーム機やパソコンのゲーム、ブラウザゲームの題材としても幅広く取り上げられている。そのため、史実とフィクションの境目が解らなくなっている状況も生まれていたり、ゲームで数値化される人物の能力によって、歴史上の評価と異なる過大・過小評価をされていることも少なくない。

・『三国志』の背景…厳密に言えば、「三国時代」は西暦220年に後漢が滅んでから魏(220~265年)、蜀(221~263年)、呉(229~280)が滅亡するまでの60年間を指す。しかし、話自体は後漢末期の西暦184年に起きた「黄巾の乱」前後から始まっており、「どのようにして三国が作られていき、滅んでいったか」が書かれている。

大まかな流れとしては、【後漢王朝の腐敗】→【民衆反乱と群雄割拠】→【董卓の暴政】→【群雄間の争い】→【2大勢力、曹操と袁紹の決戦「官渡の戦い」】→【曹操の南下による「赤壁の戦い」】→【劉備の入蜀による三国が形となる】→【曹操・孫権・劉備の荊州争奪戦(関羽の敗死)】→【曹操の死と後漢の滅亡(魏の建国)】→【劉備による蜀(漢)の建国】→【劉備が孫権に仕掛けた関羽仇討ち戦とその失敗】→【劉備の死】→【諸葛亮(孔明)の活躍と司馬懿との対決】→【孔明の死とその後】である。

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