手伝う?放っとく?部下に仕事を任せられない上司との付き合い方

三国志一の名軍師といえば、圧倒的多数で諸葛亮(孔明)が選ばれるでしょう。小説のように祭壇で祈って風を吹かせることはできませんが(笑)、「天下三分の計」をはじめ、劉備を蜀(漢)の皇帝に押し上げた功績はピカ一ではないでしょうか。正史では「政治家としては偉大だったが、軍事は得意ではなかったのではないか」と評されていますが、それでも蜀一国を滅ぼすことなく後継にバトンタッチできたのは評価されていいでしょう。

・仕事の鬼?責任感の塊?

孔明の魅力でもあり、最大の欠点でもあったのが、「仕事を部下に任せられなかったこと」でしょう。当時、54歳まで生きれば長生きの部類に入るでしょうが、孔明の場合は「過労死」の感が否めません。朝は早く起きて政務を見、ムチ打ち20回以上の刑罰を与える案件は全て自分で決裁した。食事の量も少なく、夜は遅くまで机に向かっていた。と伝わっています。

確かに蜀は敵国の魏や同盟国の呉と比べて人材に乏しく、それだけ孔明にかかる負担も大きかったことは容易に想像ができます。しかし、全く人がいなかったわけではありませんから、やはり「自分でやらねば気が済まない」という性格もあったのではないでしょうか。

・ひとりで仕事を抱え込む上司を持ってしまったらどうする?

現代の会社組織でも、一人で仕事を抱え込んでしまう人はいます。そして、その多くが孔明ほどの才覚があるとは言い切れません。「他人には頼みづらい」「恥ずかしい・仕事のできない人間と思われる」という理由であれば、「何か雑用でも手伝いましょうか?」とか「遠慮なく指示をしてくださいね」とも言えるところですが、「他のヤツでは頼りにならない」とか「自分がやらねば誰がやる!」といったプライドや責任感が理由であるときは困りものです。

もし、その上司を手伝おうとする意思があるのであれば、まずは自分が持っている仕事を片付けてしまい、「手が空いたので少しできそうなことを分けて頂けませんか?」といったような「上司からの指示を仰ぐ」ように仕向けるのも策としては有効でしょう。

最後に、「仕事に追われて頑張っている自分が好き」というマゾっ気ともナルシストともいえる理由もあります。そういう人は体を壊さない程度に仕事を楽しんでいるとも考えられますから、「大変になったら声をかけてくださいね」くらいで充分でしょう。